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通勤電車がやってくる

朝起きると自動的に一日が始まる。歯を磨いたり、顔を洗ったり、朝食を食べたり、服を着替えたりするとあっという間だ。

俺は自動的に駅に向かって歩いていく。気がつくと駅に着いている。駅では俺と同じような人がたくさんいる。

みんな自動的にここに集まってくる。

そして通勤電車がやってくる。中には俺のようにぱっとしない勤め人もいれば、バリバリ働いて業績を上げている人もいる。良いやつも悪いやつも並んだ順に通勤電車に吸い込まれていく。

出発する。電車の中は居心地が悪い。狭い。疲れる。

大して時間はかからない。最寄駅に着く。電車から吐き出されたあとはみんな順番に会社やお店に向かう。自動的にそこに行くようにプログラムされている。

会社ではそれぞれがそれぞれの仕事をする。役割分担という。やることがなくなることはない。自分の仕事が終わっても、また分担された仕事がやってくる。

そうやって仕事をしていると、仕事を割り振る人間になりたいと思ったが、それも自動的に行っていることなんだろうと思った。

俺は平の社員だから自動的に働いているのだろうか。上の人間はどうだろうか。朝は自動的にやってくるのだろうか。通勤電車に吸い込まれてきたのだろうか。

わからないが、なんとなくわかる。偉くなった人は、自動的に偉くなったのだろう。だから、俺が偉くなるかどうかなんてことも自動的に決まることで、俺が決めることではない。

自動的というのは受動的に似ている。言葉の響きが特に似ている。

俺も偉くなりたい。幸せになりたい。もちろん、自動的に。