読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

心の解放区


何処も彼処も都市化が進み、田んぼにたくさん居たはずの蛙が消え、野原にはあんなにも居たはずの虫たちが消え、ノスタルジックな気分に浸る今日この頃でしたが、マジトンボ居すぎ。飛びすぎ。坂上次郎かってくらいに飛んでるね。しかも、この時期になると奴ら場所とかわきまえずに交尾しやがるからね。あげく空を軽快に飛びながら交尾してるからね。以前、スカイダイビングをしながらセックスするという話を聞いたことがあるが、トンボの比にならないね。奴ら低空飛行とかお手の物だからね。何フィートって高さでセックスするのはまだロマンがあっていいと思うけど、トンボは人々に見せ付けるようにして交尾するからね。まったく、恥を知って欲しいよ。公然わいせつにも程があるよ。

昆虫風情がズッコンバッコン楽しんでいる中、俺ときたら午後ティー飲みながら学校の近くを闊歩していたからね。驚くほどに女性の影がさっぱりない。本当に浮いた話がない。本来なら発情した女の子がフェラの一発でもやってくれれば良いものを、そんな気配すらない。こっちからアプローチをかけたところで振られるとかそういう問題じゃなくて、酷い罵声を浴びせられる羽目になるだろう。「アンタみたいな男があたしに声かけるなんて10年早いわ!」なんつってな。いやー、俺そういうサディスティックな女の子好きだよ。ピンヒールで踏みつけてもらいたいよね。何が「よね」だ。誰に同意を求めているんだ。本当、自分のどうしようもなさには腹が立つよ。そんなことを考えていると、トンボが一匹、俺の肩に。周りにはカップルで交尾しながら飛んでいるトンボがたくさん居る中で、こいつはただ独り。俺と同じ独りぼっち。そうか、そういうことなんだよな。寂しげなトンボの複眼を見つめ、こいつの目には俺がいっぱい映っているんだろうな、と考えてみると心から愛しく感じた。俺は独りなんかじゃなかった。悲しみの中、俺はトンボと交尾した。

自分でもここまで酷い文章を書くとは思いも寄らなかったが、俺は言いたいことが別にあるのだ。トンボたちがこうして空を飛び回りながら交尾しているせいで、子供たちの目に触れてはいけないはずのタブーである、セックスというものが、とても開放的に感じたのだ。やはり、これは性の低年齢化の一端を担っているのではないだろうか。少子高齢化社会の日本で、これが最後の少子化対策なのではないか、そう思いつつ、俺はトンボとの交尾に夢中だった。